連結と単体の定義
連結決算は、親会社とその子会社・関連会社をひとつのグループとして合算した財務諸表です。グループ全体の経営成績と財政状態がわかります。
単体決算(個別決算)は、親会社だけの財務諸表です。子会社の業績は含まれません。
上場企業は連結決算の開示が原則であり、投資判断のメインとなるのは連結の数字です。ただし、有価証券報告書には単体の財務諸表も掲載されます。
金額に差が出る理由
連結と単体で金額が異なる主な理由は以下のとおりです。
- 子会社の売上・利益が加算される: 多くの子会社を持つ企業ほど、連結と単体の差が大きくなる
- グループ内取引が消去される: 親会社→子会社への売上など、グループ内の取引は連結時に相殺消去される
- のれん・非支配株主持分が発生: 連結特有の項目が加わる
- 海外子会社の換算: 外貨建ての子会社の数字は為替レートで換算されるため、為替変動の影響を受ける
例: ある企業の単体売上が500億円、連結売上が2,000億円の場合、子会社群の売上(グループ内取引消去後)が約1,500億円あることを意味します。
IR資料での見分け方
IR資料で連結と単体を見分けるポイントです。
決算短信
表紙に「連結経営成績」「個別経営成績」と明記されています。1ページ目は連結、後半に単体(個別)が掲載されるのが一般的です。
有価証券報告書
「連結財務諸表」と「財務諸表(単体)」がそれぞれ別のセクションに掲載されています。
決算説明資料
通常は連結ベース。ただしセグメント別では単体のデータが混在することもあるので注意。
比較時の注意点
企業間や期間の比較を行うとき、連結・単体を混在させないことが重要です。
- 同じベースで比較する: A社の連結売上とB社の単体売上を比較しても意味がない
- 単位の違いにも注意: 連結は百万円、単体は千円で表示されている場合があり、見た目の数字が全く異なる
- 前年比較も同じベースで: 今期の連結と前期の連結、今期の単体と前期の単体で比較する
- 連結範囲の変更に注意: 子会社の増減で連結の範囲が変わると、前年との単純比較ができなくなる
ケーススタディ
連結・単体を混同して誤った比較をしてしまう典型的なケースです。
| ケース | 誤り | 正しい対応 |
|---|---|---|
| 企業間比較 | A社連結売上 vs B社単体売上 | 同じベース(連結同士 or 単体同士)で比較 |
| 期間比較 | 今期連結 vs 前期単体 | 同じベースの前年数字を使う |
| 利益率比較 | 連結営業利益 ÷ 単体売上 | 分子と分母のベースを揃える |
JapanKaikeiの活用
連結(百万円表示)と単体(千円表示)の数字を比較したいとき、JapanKaikeiで同じ単位に変換してから並べると、規模感の比較が直感的にできます。
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